米穀集荷・販売及び斡旋事業


(1)米穀集荷・販売事業
当組合は昭和23年8月設立以来、組合員様を通して生産者様より県内一円で集荷販売を行っている全集連(全国主食集荷協同組合連合会)傘下の県集荷団体(旧:二次集荷業者、第二種登録出荷業者)です。
県内各地に組合員(旧:一次集荷業者、第一種登録出荷業者)が在籍し、その産地で生産者様に対し営農指導、米穀集荷、農業資材の斡旋等を行っており、その延長で当組合は委託販売を実施しております。
組合の集荷全体実績として約350,000俵(内、委託数は約100,000俵)を取り扱っており、主に、うるち米(コシヒカリ、ひとめぼれ、天のつぶ、チヨニシキ、ミルキークイーン)やモチ米(こがねもち、ヒメノモチ)、酒造好適米(五百万石、夢の香、華吹雪、美山錦)などを集荷、販売しております。
【米の安心・安全に対する取り組み】
【米穀に対するこれまでの背景】
戦後の日本では、食糧不足から主食となる米を政府(国)が1995年頃まで食糧管理法(食糧管理制度)のもと、流通管理を実施することで生産者の所得と消費者への安定供給を図って参りました。

米の流通経路(1945〜1968年)

一方で1970年代頃から経済発展に伴う食料事情の好転、米をめぐる経済・社会事情も大きく変化してきたため、食糧管理制度も状況に応じて修正・改善され、1971年以降から米の生産調整(減反)も始まりました。
1995年(平成7年)に食糧管理法が撤廃、新たに「食糧法」が施行され、米の流通管理を政府から自主流通法人(全農、全集連)へ移り変わり、同時に「自主流通米制度」が設けられたことで、当組合もその一役を担って参りました。

食管法の規定する米流通経路(1969〜1994年)
(1969〜1994年)


食糧法の規定する米流通経路(1995〜2004年)
(1995〜2004年)

2004年(平成16年)、自主流通制度が廃止され、同時に第一種登録出荷業者、第二種登録出荷業者という位置づけもなくなったことから、米を取り扱う者は政府へ米穀取扱事業者として届出さえすれば誰でも流通できるなど、米の流通は完全自由化へと変化し現在に至ります。

改正食糧法の下での米流通経路(2004年〜)

(2)斡旋事業
当組合は組合員様向けに農業資材である検査用紙袋(年間約80万袋)や種子、検査機材等を斡旋しております。
また、組合員様がお求めになるご要望にできるだけお応えできるよう上記以外にも随時対応しております。(OA機器等)
農産物検査事業


農産物検査とは…
市場に流通する農産物全般に対して、農林水産大臣から認可された登録検査機関が農産物検査法に基づき、品位等の検査を行うことを指します。
農産物には、米穀(玄米、精米、もみ)、麦(大麦、小麦はだか麦)及び政令で定める大豆、そば等があります。 農産物検査は、第三者である登録検査機関が実施することで検査格付けの公正かつ円滑な取引の一役を担うと同時に、生産者が栽培した農産物の根拠を証明し、安心して消費者の皆様へ提供することができます。
玄米の品位検査には、1等・2等・3等・規格外と4つの等級が設けられ、その等級に応じて市場へ流通する農産物の品質と価格の目安となっております。 (他に、醸造用玄米(酒造好適米)は特上・特等・1等・2等・3等・規格外の区別となっています)
検査局長の挨拶
当機関のホームページをご覧いただきありがとうございます。
国の農産物検査制度の民営化が平成12年度から始まりましたが、県内第1号の登録検査機関として平成13年8月に農林水産大臣から登録認可を受け運営を開始しました。
農産物検査員育成研修を実施し、現在85名の農産物検査員が在籍し、年間で約35万俵の農産物検査を実施しています。
食糧法(主食米以外の用途限定米穀(加工用米、飼料用米、米粉用米、備蓄用米及びWCS(ホールクロップサイレージ))に区分し販売すること)、農産物検査法、米トレーサビリティ法及び食品表示法などの法令遵守は重要であると考えています。
また、当機関では検査員の知識と技術の維持向上に努め、万全な検査体制を確立するとともに、「自覚と誇り」を持ち農産物検査を実施しています。
内部監督部門(コンプライアンス)
検査局長を筆頭に委員8名を当機関の指導的検査員として、当機関内部の指導や監査を実行しております。
登録検査機関の業務規程(抜粋)
農産物検査法第3条に基づく農産物検査(品位等検査)において銘柄証明ができる品種は以下のとおりです。
水稲うるち玄米 | |
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必須銘柄 |
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選択銘柄 |
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水稲もち玄米 | |
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必須銘柄 |
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選択銘柄 |
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醸造用玄米 | |
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選択銘柄 |
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普通そば | |
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選択銘柄 |
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青年部事業


平成16年度より新たに発足し、青年部長を筆頭に組合員の後継者たる者として、知識習得・技術継承とともに若さを生かしつつも自覚ある行動のもと、新たな取り組みへ挑戦することを目的として日々活動しております。
現在は、組合員後継者である者12名と組合職員(事務局)2名で構成した14名で活動しております。
今後も後継者育成に伴い新規加入者を募集し、新しい発想を生み、自由闊達な活動をして参ります。
主な関係組織
・全集連青年部連絡会議
・中小企業団体青年中央会
これまでの青年部活動状況
平成16年4月7日 | 第1回青年部発足総会(会場:郡山市熱海町) |
平成16年7月23・24日 | 木徳神糧㈱桶川精米工場様を視察、全集連へ訪問 |
平成17年2月24日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(青森県主催) |
平成17年6月10日 | 第2回青年部通常総会 |
平成17年8月3・4日 | ㈱大場惣吉商店様のライスセンター設備、低温倉庫、圃場の視察 山形県米穀集荷協同組合青年会様との親睦会 山形県米穀株式会社 (政府米指定)低温倉庫の視察 城戸口商店様の生産者直売所を見学 |
平成18年2月21日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(福島県主催) |
平成18年6月15日 | 第3回青年部通常総会 |
平成18年8月3・4日 | 北相米穀株式会社様の精米工場の見学 炊飯工場「式楽」様の視察 |
平成19年3月14日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(山形県主催) |
平成19年6月21日 | 第4回青年部通常総会 平成19年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成19年8月8日 | 青年部研修旅行(大阪府内)展示会場「お米ギャラリー梅田」視察 |
平成20年2月21日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(秋田県主催) |
平成20年6月18日 | 第5回青年部通常総会 |
平成20年6月25日 | 平成20年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成20年8月8日 | 越後米穀㈱様(新潟県)のBLコシヒカリ及びコシヒカリの圃場を見学 新潟県主食集荷商業協同組合様を挨拶訪問 |
平成21年1月26日 | 平成20年度全集連青年部連絡会議全国研修会の開催(東京都) |
平成21年2月19日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(北海道主催) ※大雪で帰り便が飛ばないため、連泊且つ寝台列車にて帰路 |
平成21年6月24日 | 平成21年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成21年6月26日 | 第6回青年部通常総会 |
平成21年8月22日 | 福島県郡山市並びに相馬市「はえぬき」の圃場視察並びに研修会 |
平成21年12月8・9日 | 青年部研修旅行(福岡県) |
平成22年3月2日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(青森県主催) |
平成22年6月9日 | 第7回青年部通常総会 |
平成22年6月25日 | 平成22年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成22年7月30日 | 福島県河沼郡会津坂下町「はえぬき」の圃場視察並びに研修会 |
平成23年3月3日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(福島県主催) |
平成23年3月11日 | 東日本大震災発生 |
平成23年6月15日 | 第8回青年部総会 ※㈱むらせの村瀬常務様(現:社長)より米の情勢のご高話を頂く。 |
平成23年7月1日 | 平成23年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成23年8月5・6日 | 宮城県古川農業試験場 カドミウム高吸収品種「長香穀」の特性による土壌修復・浄化技術の学習 「密封式鉄コーティング」技術の手法の学習 山形県新ブランド米「つや姫」の品種特性、育成方法及びブランド化 戦略に対する説明及び意見交換、圃場視察を実施 山形県集連青年会様との親睦会 |
平成24年2月8日 | 平成23年度全集連九州・西日本ブロック研修会及び全集連青 年部連絡会議全国研修会の合同開催(熊本県主催) |
平成24年3月7日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(山形県主催) |
平成24年6月15日 | 第9回青年部総会 平成24年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成24年8月2・3日 | ㈱名古屋食糧様(愛知県名古屋市)の精米施設及び低温倉庫の見学、意見交換を実施 |
平成25年2月21日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(秋田県主催) 第10回青年部総会 |
平成25年7月4日 | 平成25年度全集連青年部連絡会議通常総会 全集連青年部連絡会議全国研修会及び北海道・東北ブロック研 修会の合同開催(北海道主催) |
平成26年2月25日 | ファーストインターナショナル株式会社様の協力による雑穀プロジェクトによるレシピ製作のための試食・研修会を実施 |
平成26年2月26日 | 全集連全国農産物鑑定競技会へ参加し、部員の遠藤氏が優勝 第11回青年部総会 平成26年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成26年7月9日 | 新潟県主食集荷協同組合青年部様来訪により福島県郡山市の組合検査場にて全量全袋検査を合同視察研修 |
平成26年7月29日 | 青年部事業の「雑穀プロジェクト」の製品作り |
平成26年8月5日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(青森県主催) |
平成27年6月10日 | 第12回青年部通常総会 |
平成27年6月16日 | 平成27年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成27年7月10日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(福島県主催) |
平成28年1月20日 | 全集連青年部連絡会議全国研修会及び関東信越ブロック研修会の合同開催(栃木県主催) |
平成28年6月9日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(山形県主催) |
平成28年6月21日 | 第13回青年部通常総会 |
平成28年6月24日 | 平成28年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成29年2月23・24日 | 炊飯器製造の一大拠点、パナソニック株式会社アプライアンス社キッチンアプライアンス事業部加東工場を見学 |
平成29年6月7日 | 青年部役員会 第14回青年部通常総会 |
平成29年6月22・23日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(秋田県主催) |
平成29年6月28日 | 東京農業大学にて青年部事業の打合せ 平成29年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成29年12月14・15日 | 青年部事業 東京農業大学で総合演習「米概論」の実施 全集連へ表敬訪問 |
平成30年2月8日 | 全集連青年部連絡会議全国研修会及び九州・西日本ブロック研修会の合同開催(宮崎県主催) |
平成30年3月7日 | 福島県青年部団体連絡協議会特別交流会 |
平成30年5月8日 | 福島県中小企業青年中央会 平成30年度通常総会 |
平成30年6月7・8日 | 北海道・東北ブロック研修会の開催(北海道主催) |
平成30年6月12日 | 第15回青年部通常総会 |
平成30年6月27日 | 東京農業大学にて青年部事業の打合せ 平成30年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
平成30年7月11・12日 | パナソニック㈱にて青年部事業の打合せ パナソニック㈱神戸工場見学 |
平成30年7月17・18日 | 東京農業大学にて青年部事業の打合せ |
平成30年8月30日 | 東京農業大学の学生を引率し内堀雅雄県知事を表敬訪問 |
平成30年11月16日 | 福島県中小企業青年中央会創立40周年記念式典 |
平成30年11月27日 | 全集連青年部連絡会議 北海道・東北ブロック部長会議 |
平成30年12月13日 | 青年部事業 総合演習米概論(東京農業大学) |
平成31年2月27日 | 福島県青年部団体連絡協議会 特別交流会 |
平成31年3月20日 | 平成30年度ふるさと・きずな維持・再生支援事業 成果報告交流会 |
令和元年6月3日 | 福島県中小企業青年中央会 令和元年度通常総会 |
令和元年6月6日 | 第16回青年部通常総会 |
令和元年6月26日 | 令和元年度全集連青年部連絡会議通常総会 |
~現在 |
全量全袋スクリーニング検査及びシンチレーション検査事業


東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故によって生じた放射性物質への不安の高まりは、福島県産の農林水産物に大きな影響を与えました。特に、国民の主食である米には、消費者の高い関心が向いています。
そこで福島県は「基準値※を超える米は絶対に流通させない」「消費者が安心できる米の出荷体制を整えて、理解を得ていく」取り組みを続けてきました。
福島県が実施している「出荷前にすべての米を検査する全量全袋検査」は世界的にも類を見ない徹底した検査の出荷体制です。当組合はその検査の一翼を担い、福島県産米の安全・安心の取り組みに寄与しています。
※平成24年4月1日、厚生労働省により、米(一般食品)の放射性セシウムの基準値が100Bq/kgと定められました。